2021年 09月 08日
Schumann: Nur ein laechelnder Blick
Nur ein laechelnder Blick / ただ1度の微笑む眼差しが
Jasminenstrauchと同じく歌曲と歌 第1集の5曲目です。
大好きな恋人に向かって走って行く、大好きな気持ちをまっすぐ伝える、そんな初めての大きな恋を歌っています。
歌詞の内容から言って、男性が歌う曲。
では女性はどう歌えばいい?
ピアニストは?
こんなことをレッスンで先生にお話し頂き、色々と考えました。
恋愛中の現在進行形として表現する。
or
過去の大きな恋を懐かしく想い出して表現する。
どちらに焦点を置くかで表現が変わってきますよね。
私はピアニストとして間奏は現在進行形、後奏は過去を想って演奏しました。
真っ直ぐ恋人に向かう青年
or
その気持ちを受け止め、今は大人になった女性
想像が色々膨らんで、私の中でとても大切な曲になりました。
Nur ein laechelnder Blick
Von deinem strahlenden Auge,
Und vom freudigen Licht
Fuehl' ich mich innerst erhellt.
あなたが微笑んでくれるだけで
私の心は晴れやかになる
大好きな歌詞。
そして少しWidmung / 献呈にもメロディが似ています。
きっとこの曲は演奏する時の自分の年齢、環境、心情によって変化する。
素敵な恋愛をして、この曲を思いっきり表現してくださいね!
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2021年 09月 07日
Schumann: Jasminenstrauch
Jasminenstrauch / ジャスミンの茂み
歌曲と歌 第1集の4曲目です。
ジャスミンの青々とした茂みが夜の間に色が変わり、雪のように真っ白になって目覚めるという歌詞。
イ長調で爽やかに、そして可愛らしい雰囲気に包まれた小品です。
Wie geschah mir in der Nacht?
夜の間に私に何が起こったのだろう?
語りかけるメロディとその変化を表現するピアノの織りなす2小節がこの曲の大切な場面だと思います。
後奏はシューマンらしいピアニズム!
ピアニストにとっては幸せなひとときです。
ジャスミンの花言葉は愛らしさ。
その言葉にぴったりの素敵な曲でした。
それにしても!
一晩で真っ白になったって・・・花が咲いたってことだったのね。
今頃気がついた私でした。。
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2019年 01月 28日
Schumann: Aus den hebräischen Gesängen
2019年最初のドイツリート研究のレッスンは、とっても素敵な1曲、ヘブライの歌からでした。
Kann noch mein Herz ein Hoffen naehren,
Es zaubern diese Toene her,
Und birgt mein trock'nes Auge Zaehren,
Sie fliessen, und mich brennt's nicht mehr!
リュートの音が私の心に魔法をかけて、まだ希望を育てることができるかもしれない。
本当に辛いことがあったとしても、音楽はその心を癒すことができる。
音楽の力って目に見えないものですが、人に感動を与え、励ますこともできる素晴らしいものだと思います。
その力はプロの演奏家の方々だけが持っているのではなく、一生懸命ココロを込めて演奏する全ての人が持っていると、日々音楽を仕事にしていて感じます。
さて、ドイツ語の辞書を引いて、(雅)と言う欄を発見したことはありませんか?
詩を詠む時に使われるドイツ語は(雅)が割と多いです。
普段の日常生活ではあまり使わないけど、美しい言葉なのかな?と私は理解しています。
die Zaehreもそのひとつで、die Traene(涙)のこと。
die Traeneも私は美しい言葉だと思うけど、もっとdie Zaehreは美しいのかしら?
そんな雅な言葉も学べることはドイツリートの魅力のひとつですね。
2017年 06月 11日
Brahms: O wusst' ich doch den Weg
5月のドイツリート研究のレッスンで取り上げた2曲目もブラームス。
今回初めて知った 郷愁 / 帰り道がわかるなら です。
O wuesst' ich doch den Weg zurueck,
den lieben Weg zum Kinderland!
ただ母の愛に優しく包まれ、悩み苦しむことを知らなかった子供時代への帰り道。
娘2人の母親になり、まだ2歳の長女が次女の誕生により小さな苦しみを味わっている姿を見ると、ただただ愛情に包まれて、悩みがないのは赤ちゃんの時だけなのかなと思ってみたり(笑)
私にとって今までの人生で大きな悩みもなく朗らかに毎日を過ごしていたのは中学・高校時代。
素敵な友人にも恵まれ、いつも笑っていました。
そんな毎日を過ごさせてくれたのも両親のおかげ。
私の子供たちは大人になり、いつを懐かしく思うんだろう。
幸せな子供時代だったと思い返してくれるように、母として責任重大だなーなんて感じながらこの曲を弾いています。
そして子供たちにただただ愛を注ぎ過ごす母としての時間もかけがえのないもの。
私もまたおばあちゃんになったら今のこの瞬間を懐かしく思うのでしょうか。
皆さんが帰りたい時間、場所はどこですか?
詩と音楽を通してさまざまな想いを巡らすことができるのも、ドイツリートの魅力ですね!
しっとりとしたブラームスの1曲でした。
2017年 05月 30日
Brahms: Die Mainacht
ドイツリート研究5月のレッスンでは、今月にぴったりなブラームスの Die Mainacht 5月の夜を取り上げました。
ドイツの5月と言えば、長い冬が終わり春が訪れる目覚めのとき。
曲は変ホ長調でそんな静かに穏やかに春が始まる様子を表現しています。
春を謳いあげる幸せな曲ではなく、全てを暗闇に包んでしまう夜と組み合わせ、転調を繰り返しながら詩人の揺れ動く心情を表現しているのがこの曲の特徴でしょうか。
ピアノ伴奏もブラームスらしいダイナミックなところもあり、とても美しいです。
いつかは自分も理想の恋人に出会えるのだろうか?
詩人の気持ちは絶望ではなく期待に包まれているからか、曲はまた変ホ長調で静かに終わります。
durch die Seele mir strahlt, find ich auf Erden dich?
いつ僕は君を地上に見出すだろう?
好きな人のことを考えているのではなく、これから出会う人のことを考えている。
この曲の1番大切なことだと思います。
昼だけど・・・
先日お散歩中に木陰で読書をしている方を見かけました。
素敵な時間の過ごし方だなー。